台湾半導体大手のTSMCは12月10日、2024年11月の連結売上高を発表した。同月の売上高は約2760億台湾ドルで、前月比12.2％減少したものの、前年同月比では34.0％増加した。

2024年1月から11月までの累計売上高は2兆6161億台湾ドルとなり、前年同期比で31.8％増加している。これは、先進的な半導体プロセス技術への需要が引き続き拡大していることや、主要顧客からの受注が堅調に推移していることを反映している。

11月の売上高が前月比で減少した背景には、季節要因や一部顧客の在庫調整が影響したとみられる。しかしながら、TSMCは5ナノメートルや3ナノメートルといった先端プロセス技術で市場をリードしており、中長期的には成長基調を維持する見込みだ。

特にAI関連チップや高性能コンピューティング（HPC）向け半導体の需要が引き続き強く、これが同社の収益拡大を支える重要な柱となっている。また、自動車向け半導体市場でも存在感を高めており、多角的な需要に対応することで安定した成長が期待される。

TSMCは今後も技術革新と生産能力拡大を通じて、世界的な半導体需要に応える姿勢を示しており、2024年通年での業績にも注目が集まる。