米国労働省が発表した11月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比22万7000人増加し、市場予想の約20万人を大きく上回る結果となった。失業率は4.2％で、前月から0.1ポイント悪化したが、雇用市場の堅調さが示された。

11月の雇用増加は、特に医療、レジャー・ホスピタリティ、政府部門で顕著だった。医療分野では5万4000人の増加が見られ、レジャー・ホスピタリティ分野では5万3000人増加した。一方、小売業では2万8000人の減少が記録されている。

また、10月にストライキやハリケーンの影響で停滞していた製造業でも回復が見られた。輸送機器製造業ではストライキ終了後の復帰により3万2000人の増加があった。

労働者の平均時給は前年同月比で4.0％増加し、市場予想を上回った。前月比でも0.4％の上昇を記録しており、インフレ圧力を示唆するデータとして注目される。

この結果を受けて、今月17日から開催予定の米連邦準備制度理事会（FRB）の金融政策会合では、利下げペースに関する議論が焦点となる見通しだ。FRBは雇用や物価動向を慎重に見極めながら、次の一手を判断するとみられる。