住友ゴム工業は大阪大学大学院医学系研究科と共同で、がん細胞を吸着するキットを開発した。このキットは、特殊なポリマーが水を介してがん細胞と化学的に結合する性質を利用しており、少量の血液からがん細胞を効率的に取り出すことが可能だ。

住友ゴムは、このキットを用いてがん細胞を培養・解析する手法を確立し、がん治療や新薬開発の効率化を目指している。将来的には、医療現場でのがん治療や新たな治療薬の開発への応用、そして医療分野での事業化を目指しており、阪大などの研究機関や製薬会社との連携を強化していく方針だ。

今回の共同開発は、住友ゴムの持つ材料開発技術と、阪大の医学研究の知見を融合させたものであり、異業種連携による新たなイノベーション創出の事例として注目される。

住友ゴムは、タイヤ事業で培った技術を応用し、医療分野への進出を加速させている。今回の共同研究は、その一環として位置づけられており、今後の展開が期待される。