米SambaNova Systems（サンバノバシステムズ）は、AIチップから事前学習済みの基盤モデルまでを統合プラットフォームとして提供している。

SambaNovaは、これまでに10億ドル以上の資金を調達しており、2021年4月に実施された6億7600万ドルの資金調達ラウンドではソフトバンクグループの「ビジョンファンド2」が主導し、企業価値を50億ドルと評価した。他にもインテル、マイクロン・テクノロジー、ＳＫハイニックスなどの半導体大手も投資に参加した。

AIチップから事前学習済みの基盤モデルまでを統合したAIプラットフォーム「DataScale」を開発している。1兆パラメーターの大規模言語モデル「Samba-1」を発表しており、ソフトバンクの生成AI開発向け計算基盤の一部として採用されている。

官公庁や金融機関をターゲットとしており、東京・大手町にオフィスを開設し、アジア太平洋地域（APAC）全域への展開を加速させることを目指す。「 DataScale」を採用した理研は、2024年5月には、「富岳」との連携を強化し、「富岳」を用いて学習した大規模言語モデル「Fugaku-LLM」を公開した。

「富岳」と「 DataScale」は、AIと高性能計算（HPC）の融合を実現するために連携し、特にデジタルツインの研究や超高解像度の3次元コンピュータービジョンの精度向上など、Society 5.0時代の研究に向けた重要な役割を果たしている。

AIチップ市場は2027年までに年間成長率70%以上で4000億ドル規模に拡大すると予測されており、SambaNovaはこの成長市場で有利なポジションを確立しよう。