山形大学は、大阪ソーダやエムテックスマートと連携し、「革新的ナノ均一構造正極による超高速充放電亜鉛二次電池」の開発を発表した。今回のプロジェクトは、資源リスクが低い亜鉛金属を用いて、現行のリチウムイオン二次電池を超える電池容量の実現を目指している。

研究グループはこれまで、負極に金属亜鉛を使用し、高速に充放電が可能な二次電池向けの「革新的ナノ均一正極構造」を開発してきた。2024年度には、NEDO先導研究プログラムの新技術先導研究プログラム、エネルギー・環境新技術先導研究プログラムに「革新的ナノ均一構造正極による超高速充放電亜鉛二次電池の開発」が採択された。

負極に使用する亜鉛金属は、供給面で資源リスクが低く、大気中で発火の危険性がないという安全性が高い材料である。また、亜鉛は高い起電力を持ち、安価で毒性がないといった多くの特長を備えている。「革新的ナノ均一正極構造」においても、資源リスクの低い活物質が採用されており、放電速度性能も向上させることができる。このような特徴を持つことで、現行のリチウムイオン二次電池を超える電池容量の実現を目指している。