ＨＩＳは、香港ファンドのロングコリドーに第三者割当増資で524万6000株を1株1525円で発行し、80億円を調達する。また新株予約権で146億円を調達する。権利行使価格が1665.9円のため、ファンドは短期間に手放すとみられ、潜在株式数は870万株増加する。希薄化を防ぐため、発行済み株式総数の7.3％にあたる500万株を10月30日に消却する。

新型コロナの影響で今10月期は上場後初の赤字転落が見込まれるため、自己資本を増強し、財務を安定させる。最終損益は318億円の赤字予想と開示しており、配当も中止する。調達資金は旅行事業、ハウステンボス事業に続くホテル事業を第3の柱とするために、仙台ホテル、鹿児島ホテルなど6ホテル建設に99億円を充当、プラットフォームの構築などＩＴ基盤の強化に122億円を充当する。希薄化懸念は最低限に抑えられそうだ。