三井住友海上火災保険がカナダの大手保険「Fairfax 社」とグローバルなパートナーシップを締結し、シンガポール最大の損害保険会社「ファースト・キャピタル・インシュアランス（ＦＣ社）」の買収で基本合意した。ＦＣ社は、シンガポールをはじめアセアン地域のローカル企業分野の保険引受に強く、高い収益性を持つ。シンガポールの収入保険料では首位に立っている。買収金額は16億ドル（約1755億円）。

三井住友海上は買収は手元資金を充当し、エクイティファイナンスは行わない。ＭＳ＆ＡＤインシュアランスグループは、2015年度末までに約2500億円の保有株式の売却を行っており、2017年度までの売却額目標を3000億円から5000億円としている。保有現金は豊富と見られる。三井住友海上はＡＳＥＡＮ10カ国に拠点を持つが、ＦＣ社買収でＡＳＥＡＮトップの位置を不動とする。親会社のＦａｉｒｆａｘ社は世界30か国以上で事業展開しており、総収入保険料は1兆円。グローバルなパートナーシップを結び、再保険やデジタル技術の活用などを視野に入れ、海外事業のさらなる成長を目指す。