2025年のCPU計画でPC性能を大幅強化へ

英国のアームが2025年に向けて、PC向けプロセッサの性能向上に注力する計画を発表した。主力である省電力性能に加え、さらなる高性能化を目指す方針だ。

アームは、スマートフォンやPC市場でそのRISCアーキテクチャが高い省電力性を誇ることで知られているが、性能面では競合するインテルやAMDのX86アーキテクチャに一部劣ることが課題とされてきた。IPC（命令毎クロック数）ではリーダーシップを達成したと考えているが、現在の焦点はクロック周波数の向上とし、今後も高性能Armコアの開発に投資を続ける方針を明らかにした。

アームはGPUビジネスへの投資も計画している。PCの競合他社と同様に、AIを活用してグラフィックスを改善する方針だ。モバイル環境におけるGPUの総合的な処理能力でリーダーシップを確立するという野心的な目標を掲げている。

これらの新技術は、次世代コンピューティングプラットフォーム「Arm CSS for Client」として統合される。このプラットフォームは、高性能化とAI処理の強化という二つの戦略的目標を実現するための包括的なソリューションとして位置づけられている。

この歴史的な戦略転換は、アームベースのチップを採用するクアルコムやアップルなどの企業に大きな影響を与える可能性がある。アームのコア性能向上は、PCやスマートフォン市場における競争力強化につながるだろう。

また、アームはクアルコムとの訴訟が「未解決」であることを認めた。技術ライセンスを巡るもので、両社間の緊張が続いている。