カンザスシティ連銀のジェフ・シュミット総裁は、米国経済の現状と課題、そして自身の目標を語った。シュミット総裁は、2025年の経済見通しに対して楽観的な姿勢を示しつつ、慎重な政策運営の必要性を強調した。

シュミット総裁は、米国経済がパンデミック後の混乱から回復し、物価の安定と完全雇用というFRBの二重の使命に近づいていると評価した。2024年にはインフレ率が2.5％まで低下し、ピーク時から大幅に改善した点を強調。サプライチェーンの回復や労働市場の逼迫感の緩和が、この改善を後押ししていると述べた。

ただし、インフレ期待を制御する重要性も強調した。過去の経験から、期待が外れると経済の混乱が長期化する可能性があるため、引き続き慎重な政策運営が必要だと述べた。

シュミット総裁は、現在の政策金利水準（4.25～4.5％）について、「ほぼ中立的」との見解を示した。今後の金利調整は、経済データに基づき慎重に行うべきとし、特に新しい技術（AIなど）がもたらす生産性向上や財政政策の影響を注視する考えを示した。

シュミット総裁は、FRBのバランスシートをさらに縮小する必要性を訴えた。パンデミック期に膨張したFRBの資産（米国債や住宅ローン担保証券）は、資産価格をゆがめるリスクがあると指摘。2024年末までに約2兆ドル縮小したものの、さらなる縮小が望ましいと述べた。