フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、今年も金利を引き下げる方針だが、時期はデータ次第になるとの考えを示した。

現在、米国経済はパンデミック後の影響やインフレ、金利上昇といった課題があるものの、依然として世界で最も安定した経済のひとつだと言える。GDP成長率は緩やかながらも安定しており、労働市場も落ち着きを見せている。消費者の支出は堅調で、センチメントも上向いている。

インフレ率はパンデミック後のピークから約3分の2下がってきたが、目標の2％にはまだ到達していない。FOMC（連邦公開市場委員会）は、2024年9月から12月にかけて政策金利を1％引き下げ、金融政策を再調整している。今後もデータを見ながら慎重に対応していく方針だ。

米国経済の基盤は依然として強固だが、ウクライナ戦争や中東情勢、ヨーロッパの政治的不安定といった外的リスクが不確実性を高めている。FRBとしてはデータに基づき柔軟に政策を進める方針だ。