住友金属鉱山は、リチウムイオン二次電池材料（正極材）の製造技術を開発するNano One Materials Corporation（ナノ・ワン社）に出資し、電気自動車（EV）などに向けた電池正極材の製造技術の共同開発などで協業する。出資額は約1690万カナダドル（約19億円）で、持分比率は5％となる。

ナノ・ワン社は、電池の主要部材のうち、最も重要とされる正極材に関して、多数の工程を組み合わせて製造する現在の技術と比べて、少ない工程で原料から製品まで製造する「One Pot技術」という独自の技術を有している。この技術により、従来よりも低コストで環境負荷の低いプロセスで製造できることが期待される。

住友金属鉱山は、車載用二次電池向け正極材の生産能力については、需要拡大に対応するための増強を図っており、現在の月産約5000トンから、2025年度に7000トン、2027年度に10000トン、2030年度には15000トン体制の構築を目指している。