エア・ウォーターは、牛のふん尿から作った液化バイオメタンの事業化に乗り出す。今後10年間で約600億円を投じ、北海道などでバイオメタンの製造・液化の施設を建設する。国内のロケットメーカーに燃料として売り込むほか、液化天然ガス（LNG）の代替燃料としての需要も見込む。現在の生産能力は1日1トンだが、10年後をメドに年産1万トン体制に増強する。2024年度の事業化を目指す。

バイオメタンは、食品の残りかすや家畜のふん尿などから発生するバイオガスを精製して作られる。バイオメタンは、天然ガスと同様の性質を持つため、燃料として使用することができる。また、バイオメタンは、天然ガスよりも温室効果ガスの排出量が少ないため、環境にも優しい燃料である。バイオメタン市場は、2022年から2027年までの予測期間に、CAGR（年平均成長率）10.5％で成長すると予想されている。

エア・ウォーターは、バイオメタンの製造・液化技術を有しており、国内で初めてバイオメタンの商業化に成功した。エア・ウォーターは、今後、バイオメタンの製造・液化の施設を増設し、バイオメタンの需要拡大に対応していく。