第一工業製薬は、リチウムイオン二次電池高容量化を可能にした負極用ポリイミド接着剤を開発した。独自ポリイミド原料の合成技術を持つウィンゴーテクノロジーとの共同開発で、第一工業製薬の界面制御や電極設計技術と組み合わせた。リチウムイオン二次電池の負極材は黒鉛が主流だが、近年高容量化のためにシリコン系材料の進んでいる。しかしシリコン系材料には電池の充電で最大4倍に膨張することがあり、電極構造を破壊して電池が劣化する課題があった。

第一工業製薬が開発した負極用ポリイミド接着剤「エレクセルEPI」は、汎用品では得られない高強度・高弾性を有し、かつ高い接着性を示すことから、膨張抑制に高い効果を発揮する。負極容量が最大2.5倍になり、高容量負極材料を用いた電池の安定動作が可能となった。小型機器からＥＶ分野へ事業拡大を目指す。