ＯＰＶ（有機薄膜太陽電池）材料を開発し、ＩｏＴセンサーやウェアラブルデバイスのワイヤレス電源としての実用化を目指している。ＯＰＶは炭素などを含む有機物の発電材料を溶媒に溶かし、電極を有するガラスやプラスチックの基板上に塗布した太陽電池で、薄くて軽いため無機太陽電池では設置が困難な、壁面や布地などにも貼付が容易となる。昨年6月から仏政府系研究機関ＣＥＡと共同研究し、世界最高レベルの変換効率を実現するガラス基板のＯＰＶ小型セルの試作に成功した。

薄暗い室内環境での検証では、卓上電卓に使用されるアモルファスシリコン太陽電池の1.6倍に相当する約25％の変換効率を確認した。温湿度センサーや人感センサーなどの用途もにらみ、電池メーカーに提案を始めている。