（6702）富士通と米オラクルが日本市場における基幹系システム向けクラウドサービスの提供に向け協業を発表した。両社は、データ主権要件に対応する「ソブリンクラウド」を共同で構築し、2025年度から国内企業向けにサービスを開始する予定だ。

今回の協業では、オラクルが提供するクラウドプラットフォーム「Oracle Alloy」を富士通の国内データセンターに導入し、運用の透明性を確保したクラウド環境を構築する。このサービスは、特に機密性の高い大規模データベースシステムやミッションクリティカルなシステムを対象としており、オンプレミス環境と同等の運用性を実現することが特徴だ。

さらに、富士通は「Fujitsu Uvance」の「Hybrid IT」ソリューションとして、このクラウドサービスを展開。運用コンサルティングやクラウド管理サービスを組み合わせることで、複雑化するシステム運用の最適化と安定稼働を支援する。これにより、地政学リスクや経済安全保障リスクへの対応が求められる企業ニーズに応える形となる。

また、クラウド環境のアップデートやパッチ適用によるシステム不具合といった課題にも対応可能であり、安全かつ効率的なクラウド利用が期待されている。富士通は国内市場で蓄積したノウハウを基に海外展開も視野に入れている。