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    インテル独占のPC CPU市場、アームベースへの大転換が加速
    長年インテルが独占してきたPC向けCPU市場が、アームベースのプロセッサへと大きくシフトする兆しが見えてきた。市場調査会社のOmdiaによると、2025年にはAI対応のアームベースプロセッサを搭載したPCの出荷台数が520万台に達し、全体の13.2%のシェアを占める見通しだ。2024年末までの出荷台数がわずか80万台程度と予測されていることを考えると、1年で6.5倍という驚異的な成長率となる。

    さらに2029年には、アームベースCPUのシェアが32.7%にまで拡大すると予測されている。これは、インテルとAMDが長年築き上げてきたx86アーキテクチャの牙城が、急速に崩れ始めていることを示している。

    クアルコムは、Snapdragon XシリーズでWindowsマシン向けの高性能アームチップを既に展開している。MicrosoftのCopilot+に対応するなど、AI機能の強化にも注力しており、ビジネス用途での採用拡大が期待されている。

    Business Research Insightsの予測によると、アームマイクロプロセッサの世界市場規模は2023年の122億4000万ドルから、年平均成長率7.7%で拡大し、2032年には238億5000万ドルに達する見込みだ。この成長を牽引するのが、PC向けCPU市場におけるアームベースプロセッサの台頭だ。

    特に注目すべきは、アームベースCPUの強みである省電力性能だ。バッテリー持続時間の長さは、特にノートPCユーザーにとって大きな魅力となっている。また、AIワークロードの処理に最適化された設計も、今後のPC市場において重要な差別化要因となるだろう。

    この潮流に対し、インテルとAMDも手をこまねいているわけではない。インテルは次世代アーキテクチャ「Lunar Lake」で省電力性能を大幅に向上させ、アームに対抗する構えだ。AMDも高性能・低消費電力のプロセッサ開発を加速させている。

    しかし、アームベースへの移行が加速する中、両社がこれまでのような市場支配力を維持できるかは不透明だ。PC業界は今、半世紀に一度の大変革期を迎えようとしている。

株式情報更新 (2月6日)


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