九州大学発のスタートアップ企業であるKyuluxが、2026年に有機EL発光材料の量産を開始する計画だ。この度、日本曹達（4041）との資本業務提携を発表し、量産体制の構築に向けて大きく前進した。

日本曹達は今後5年間で100億円を投じ、Kyuluxの有機EL発光材料の量産に向けた設備増強を行う。この投資により、生産能力の拡大と製造プロセスの最適化が図られる見込みだ。
Kyuluxが開発を進めているのは、次世代の有機EL発光材料である熱活性化遅延蛍光（TADF）材料だ。この材料は、従来の有機EL材料と比べて高効率、高色純度、長寿命を実現できる可能性があり、ディスプレイ業界から大きな注目を集めている。

有機ELディスプレイ市場は今後も拡大が見込まれており、Kyuluxの新材料が実用化されれば、スマートフォンやテレビなどの高性能化、低消費電力化に貢献する可能性がある。2026年の量産開始により、Kyuluxは有機EL材料市場での競争力を高め、シェア拡大を目指す。日本曹達との提携により、技術開発から量産までの一貫した体制が整う