英国政府が原子力発電への回帰を加速させている。2050年までに原子力発電容量を現在の約3倍に当たる2,400万kWまで引き上げる野心的な目標を掲げ、その実現に向けて小型モジュール炉（SMR）の開発・導入を推進している。

この動きの中で、（6501）日立製作所と米ゼネラル・エレクトリック（GE）の原子力合弁会社である米GE日立ニュークリア・エナジー（GEH）が開発する小型モジュール炉「BWRX-300」が、英国政府機関「大英原子力（GBN）」が実施しているSMR支援対象選定の最終候補に残っている。

GEHのBWRX-300は出力30万kWの小型軽水炉で、既存の燃料技術や実証済みの構成部品を活用し、建設・運転コストの低減を図っている。同炉はすでにカナダのオンタリオ・パワー・ジェネレーション社から受注しており、北米初のグリッドスケールSMRとして2028年の運転開始を目指している。

英国政府は、SMRの導入により電力料金の削減や雇用創出、エネルギー安全保障の強化を図る方針だ。また、データセンターなど電力消費の多い施設の近くにSMRを建設できるよう規制緩和も検討している。GEHのSMR技術が英国で採用されれば、日本の原子力技術の海外展開にとって大きな前進となる。

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