三洋化成は、広島大学病院と共同で、膝の半月板の再生を目指す企業治験を2025年から開始すると発表した。三洋化成は、2028年の実用化を目指し、この治療法を事業化することで、30年度に関連製品で60億円の営業利益を創出することを目標とする。

この治験では、シルクエラスチンと呼ばれる機能性タンパク質を、半月板の縫合部分に注入して再生を促す治療法の有効性と安全性を評価する。シルクエラスチンは、生体内に存在するタンパク質の一種で、高い弾力性と柔軟性を持ち、組織の再生を促進する効果があることが期待されている。

スポーツ中のケガなどで半月板を損傷した場合、従来の治療法としては、損傷部を縫合したり切除したりする方法が一般的だが、縫合しても完全には治りにくい場合があり、再発や痛みなどの問題が残ることもあった。

シルクエラスチンによる半月板再生治療法は、従来の治療法の課題を克服し、より効果的な治療法となることが期待される。シルクエラスチンを注入することで、半月板の組織が再生され、元の機能を取り戻せる可能性がある。