マイクロ波化学と（5541）大平洋金属は、マイクロ波を利用したニッケル製錬技術について共同開発契約を締結した。金属製錬分野は、経済安全保障推進法が成立し、特定の国に依存している特定重要物資に指定されたレアメタルなどの安定確保が急務となっている。ニッケルは、ステンレス鋼や電気自動車（EV）用リチウムイオンバッテリーに必要とされる重要な金属で、大平洋金属は海外から輸入するニッケル鉱石を主原料とした鉄とニッケルの合金であるフェロニッケルを国内で製造している。

鉱石に含まれる結晶水を高温で完全除去するための熱処理プロセスで、石炭燃焼のエネルギーから電気で発生するマイクロ波に置き換えることで、CO２排出量の大幅な削減、及び熱効率改善による省エネルギー化を図る。小型実証試験を共同で進め、事業性を検証する。マイクロ波化学は、鉱山開発プロセスに向けてマイクロ波技術プラットフォームを構築している。