新型コロナ治療薬「アビガン」原料のマロン酸ジエチルについて、5月16日から新潟県青海工場で生産を開始していたが、6月1日から出荷を開始した。海外製品との競合に敗れる形で休止していた生産設備を再稼働し、備蓄量200万人分にむけて、国産原料からの一貫生産を目指す政府の要請を受け入れていた。

またデンカ生研が国立感染症研究所と共同開発したＰＣＲのように遺伝子を増幅する必要のないイムノクロマト法による簡易検査キットは、一日もはやい量産化を目指すことも表明した。検査試薬分野で国内トップシェアをもつ企業だけに、インフルエンザやノロウイルス検査並みの5分から15分程度の迅速さを期待している。エボラウイルスのキットをアフリカに提供した実績があり、ＷＨＯがコンゴでエボラ出血熱の流行を宣言したことで、関連銘柄となる可能性もある。約10分で判定できるエボラウイルス迅速診断キットの国内製造販売承認を4月10日に申請している。

デンカの株価は42円高の2715円で推移している。