長らくオンプレミス型のデータベース管理ソフトで知られてきたオラクルは、クラウド化の波に乗り遅れ、レガシー企業との見方もされていた。しかし、生成AIの登場がその状況を一変させた。

生成AIの開発には、膨大な計算能力を必要とする。特に、大規模言語モデルの学習には、NVIDIAのGPUが不可欠だ。オラクルは、自社のクラウドサービス「OCI」上で、高性能なGPU専用ネットワークを構築し、AIトレーニングに最適な環境を提供している。OCIは、競合他社のクラウドサービスと比較して、最大6倍以上の最大約13万基のGPU数を提供できるという圧倒的なスケーラビリティを誇る。

オラクルは、生成AIの需要の高まりだけでなく、マルチクラウド戦略も積極的に推進している。AWS、Google Cloud、Azureなど、主要なクラウドプラットフォームとのパートナーシップを結ぶことで、自社のデータベースをこれらのプラットフォーム上で利用できるようにしている。これにより、顧客は、複数のクラウドサービスを組み合わせながら、最適な環境を構築することが可能になる。

トランプ政権下では、ソフトバンクグループ、オープンAI、オラクルによる大規模なAIインフラ投資が発表された。この投資は、米国におけるAI開発を加速させ、世界的な技術競争を激化させるものと期待されている。

この発表を受け、オラクルの株価は7.1％上昇した。AIインフラ建設プロジェクトの円滑な進行に向け、トランプ大統領は非常事態宣言や行政措置を活用する考えを示しており、オラクルの成長にさらなる追い風となりそうだ。

オラクルは、生成AIの登場によって、新たな成長の機会を得た。クラウドインフラを提供するだけでなく、マルチクラウド戦略を推進し、パートナーとの連携を深めることで、AI時代の覇権を握ろうとしている。今後も、オラクルの動向から目が離せない。


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