株テーマ:SBI地銀連合(地銀再編)の関連銘柄
●日銀は、「地域金融強化のための特別当座預金制度」を導入する。対象は日銀と取引のある地域銀行、信用金庫で、2020年度から3年間の時限措置で、一定の経営基盤の強化を実現することや経営統合等により経営基盤の強化を図ることを条件に、当座預金に0.1%の上乗せ金利を支払う。地銀が持株会社の傘下に入る場合は、傘下の各銀行にも特別付利を行うほか、地銀が経営統合する場合も同様となる。
地銀は日銀に対して、機関決定した経営統合計画を提出し、日銀は進捗状況を継続的にモニタリングする。3年間の時限措置とすることで、地銀再編を加速することになる。
●政府は地域金融機関の再編を促すため、地銀や信金が合併・経営統合する場合は、国がシステム統合などの費用の一部を負担する「資金交付制度」を21年夏に創設する。
SBI HDは、地銀に出資する持株会社「SBI地銀ホールディングス」を設立、島根銀行、筑邦銀行、清水銀行、福島銀行、大東銀行に出資した。地銀再生のカギとして、勘定系システムを低コストのSBIシステムへ切り替え、AIを活用した融資やSBIが預金の資金運用を担うことも検討している。「第4のメガバンク」構想とも言われ、地銀10行程度が参加する見込み。北尾社長は、3日には連合構想などの取り組みを続けるよう菅官房長官から要請されたことを明らかにした。
SBI HDは、群馬県の(8558)東和銀行と資本提携すると発表した。東和銀行の株式1%を取得し、東和銀行は2億円を上限にSBI株を取得するほか、地元企業支援を目的とする共同ファンドを設立する。SBI地方創生サービシーズへの出資も検討する。
島根銀行、福島銀行、筑邦銀行、清水銀行の4行と資本提携しており、他にマネープラザで協業しているのは、資本提携済みを除くと、(8350)みちのく銀行、きらやか銀行、仙台銀行、(8338)筑波銀行、(8544)京葉銀行、三重銀行、(8541)愛媛銀行となっている。
SBI HDは、(7161)じもと HDと資本提携すると、日経が報じている。じもと HDは山形地盤のきらやか銀行と仙台銀行を傘下に持ち、SBI HDは40億円を出資し、出資比率は2割弱となるようだ。両行とはSBIマネープラザを共同で運営しており、これで出資する地銀は7行となり、目標の10行に近づく。
包括提携している青森銀行とみちのく銀行に経営統合案が浮上と日経新聞が報じている。実現すると独禁法適用除外の特例第一号で、青森県のシェアは70%を超える。合併特例法は2020年11月27日に施行予定。全国地銀協会の大矢会長は、従来型の銀行業務では銀行が多すぎるとし、再編だけが解決策ではないが、事業構造改革のスピード感を指摘している。過去30年間で、地銀の数は132行から102行へ減少している。黒田日銀総裁も、金融機関の統合あるいは連携は選択肢の一つとの見方を示した。金融庁は銀行の規制緩和について議論を進めており、地銀のビジネスモデル改革を含めた銀行法改正を21年の通常国会で目指す。
中間決算説明会で、北尾社長は、地銀連合構想では最大10行の参加を見込むが、「大体めどが付いている」と発言している。10月29日には自民党の「地銀の経営力強化検討委員会」が開催され、北尾社長が講演することになっている。
コンコルディア・フィナンシャルグループは、SBIが設立する「地方創生パートナーズ」に出資する。山口フィナンシャルグループ、新生銀行、日本政策投資銀行も出資する。時価総額で1兆円はSBI HDの悲願でもある。