ソニーは、嗅覚にアプローチする新たな価値の創出に向け、においの素の嗅素を手軽に制御するTensor Valve（テンソルバルブ）テクノロジーを独自開発した。医療機関をはじめ、研究機関、自治体向けに、「におい」に関連した研究や測定を行うためのにおい提示装置「NOS-DX1000」を発売する。40種の嗅素成分を含むカートリッジを即時に切り替え、十分な通風で被験者ににおいを届けるワイヤ式リニアアクチュエータを40機搭載しており、10分程度での測定を可能とした。

アルツハイマー病や、レビー小体型認知症、パーキンソン病などの神経変性疾患の前駆症状の一つとして、嗅覚能力の低下が報告されており、これら疾患の早期発見に向けて、嗅覚測定の有用性を検証する研究の進展が期待される。当面は医療機器ではないが、嗅覚の測定も健康診断などで一般的に取り入れられるようにし、認知症の早期発見などに役立てる。2023年春に発売予定。